働きやすく専門性も身につく「透析室・透析センター」

慢性腎不全などで低下した腎機能を補うために人工的に血液を濾過することを人工透析といいますが、それに携わる透析センターも未経験の人におすすめの職場ですよ。どのような仕事なのか具体的に見ていきましょう。

看護師の役割とは？

人工透析を行っている患者さんは週に3日ほど透析クリニックや病院の透析室に通院しなければなりません。看護師の主な仕事は透析の準備やシャント穿刺などの医療行為、治療中の患者さんの看護、健康管理と指導です。クリニックでの働き方に近いものがありますが、それよりも医療行為が多いのが特徴です。具体的にどのようなことを行っているのか、ひとつずつ見ていきましょう。
まずは透析の準備とシャント穿刺ですが、手順が決まっているので慣れてしまえばそれほど難しくはありませんよ。流れとしては、はじめに必要な物品や人工透析の機械を準備し、その後、体重や血圧などバイタルをチェック、透析を行うためにつなぎ合わせた血管であるシャントに針を刺して血液循環操作を行います。透析は平日の日中に行われていることが多く、1回の治療にかかる時間は4時間ほど。終了したら針を抜いて止血します。時間が長いため透析中に患者さんが体調を崩していないかを確認したり、十分な透析が行われているかを観察したり記録したりするのも看護師の仕事です。透析センターには比較的状態が安定している人が多いのですが、病院の透析室にはリスクの高い患者さんもいるので気を抜かずしっかりと確認しなければなりません。
また、患者さんの健康管理や生活指導も看護師が行いますよ。透析を受けている人は心不全や感染症、高血圧などの合併症が起こりやすいので、患者さん自身が生活習慣をコントロールする必要があります。そのためには正しい知識を身につけておかなければなりませんが、それを伝えるのが看護師の役割ですよね。制限を守りながらも快適に生活できるようサポートしていきます。

透析で働くメリット

透析看護師として働くメリットは専門性を高められることでしょう。シャントの扱い方や透析中の患者のケアなど専門的な知識や技術が求められますが、一度スキルを身につけてしまえば経験者として優遇されるため、転職もしやくなりますよ。また、透析看護の認定看護師や慢性腎臓病療養指導看護師、透析技術認定士などの資格を取得していれば手当がつき給料もアップします。
透析治療を受けている患者さんとは週に3回、4時間ほど顔を合わせているわけですから関わりも自然と深くなりますよね。中には長期に渡る治療や生活制限のストレスで精神的に不安定になっている人もいます。怒りっぽくなったり、攻撃的になったり、ひどく落ち込んだり……。看護師は患者さんの背景もよく理解しながら長期的にサポートしていかなければなりません。サポートしていくうちにアセスメントスキルやコミュニケーション力が磨かれていくので看護師としても大きく成長できます。患者さんの気持ちに寄り添いながら、専門性を高め大きくレベルアップしたい人におすすめの職場ですよ。